2011/07/04 #002 「ニコ生のひみつ」

2011
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ゼミ第2回目に先生がご紹介された書籍や映像作品をまとめました。



注目!
今回の勝手に!「もものすけポイント」


もものすけ
もものすけ

岡田先生が
水木しげるさんの”鬼太郎とねずみ男が、ゼニをがっぽがっぽ” について語っていました。

岡田先生がとっても楽しそうでした!

そんな先生にほっこりしました。





「島本和彦の『アオイホノオ』ご出演おめでとう」(コメント)


漫画『アオイホノオ』(島本和彦)



作者島本和彦
出版社小学館
発表期間2007年~
あらすじ

1980年代初頭、日本のサブカルチャーが熱を帯びる中、大阪の芸大に通う焔燃(ホノオモユル)は漫画家を志すも、空回りの日々。

ある日、無名時代のあだち充や高橋留美子の作品に衝撃を受け、創作への情熱が動き出す。

実在の漫画家や作品が登場する、作者・島本和彦の自伝的コメディであり、若き日の苦悩と爆発的な情熱が描かれる。



岡田先生
岡田先生

いや、あれはね、俺、取材を受けてんだよ

島本和彦から電話かかってきて、なんか岡田さん、あの頃はどうだったんですかって

いやいや俺、実はパジャマって着たことがなくてって話して、それは最高ですねって言ったら

なんかいきなり漫画の中に出てきてるから、けっこう楽しいですね。





「天才アニメーターの歪み」


映画『コクリコ坂から』



岡田先生のおすすめポイント

『ゲド戦記』の時って、宮崎吾朗第1回作品って出たんだけども
第2回のこと誰も言わないからてっきり吾朗ちゃんはもうアニメはいいやと思って引退したんだと思ったんだけどもそうじゃなかったんだね




静止画は、スタジオジブリ公式サイトより引用しています。
引用元:
https://www.ghibli.jp/works/kokurikozaka/

企画・脚本宮﨑 駿
原作高橋千鶴 ⋅ 佐山哲郎
脚本丹羽圭子
監督宮崎吾朗
制作スタジオジブリ
公開2011年
あらすじ

宮崎吾朗の監督2作目である。

1963年初夏、横浜の丘にある「コクリコ荘」で暮らす女子高生・海は、亡き父を想い毎朝旗を掲げていた。

文化部の部室「カルチェラタン」の保存運動を通じて俊と出会い、淡い恋が芽生えるが、父の写真をきっかけに2人は兄妹かもしれないと苦悩する。

やがて真実が明かされ、俊は兄ではないと判明。

海と俊は再び心を通わせ、旗と汽笛が2人の絆を静かに祝福する。



岡田先生
岡田先生

さっきの舞台挨拶見たら、すごいいい男になって

いい男っていうのイケメンとかそういうんじゃなくて

なんかね、戦いを経た武士(もののふ)の顔になってて、ああ、いい感じになってきたなと思ったんだよな





映画『ゲド戦記』



岡田先生のおすすめポイント

『ゲド戦記』こそが、宮崎駿が昔からずーっとやりたかった作品なんだよな




静止画は、スタジオジブリ公式サイトより引用しています。
引用元:https://www.ghibli.jp/works/ged/

原作アーシュラ・K. ル=グウィン
原案宮﨑 駿
脚本宮崎吾朗 ⋅ 丹羽圭子
監督宮崎吾朗
制作スタジオジブリ
公開2006年
あらすじ

原作は世界三大ファンタジーの一つ『ゲド戦記』で、宮崎吾朗監督のデビュー作としても注目された。

世界の均衡が崩れ始める中、心に闇を抱えた王子アレンは父を刺して国を離れ、大魔法使いハイタカと旅に出る。

腐敗した街で少女テルーと出会い、災いの元凶である、不死を求める魔法使いクモの存在に迫る。

“親殺し”という衝撃的なテーマを通じて心の成長を描く本作は、ジブリ作品の中でも異色の存在。



岡田先生
岡田先生

『ナウシカ』にしても『もののけ姫』にしても、何にしても、すべて『ゲド戦記』をやるためにずっと彼が貯めていたイメージボードとか、そのストーリーとかをもともとやりたくて

でもそれができなくて

『リトル・ニモ』やりたかった、でもできなかった、『長くつ下のピッピ』やりたかった、でもできなかった

それでしょうがなく『ハイジ』やった、『未来少年コナン』やった、『カリオストロの城』やった

宮崎駿の歴史ってさ、今見ると栄光の歴史なんだけども、やっぱ若い頃見たら、敗北の歴史、できないことの歴史ばっかりなんだ





映画『太陽の王子 ホルスの大冒険』



監督高畑勲
脚本深沢一夫
制作東映動画
公開1968年
主なキャスト大方斐紗子、市原悦子、
平幹二朗、東野英治郎、
小原乃梨子
あらすじ

高畑勲の監督デビュー作品。5歳年下の宮崎駿はアニメーター(兼 場面設定)として本格的な制作に携わった。

岩の巨人モーグから太陽の剣を授かった少年ホルスは、悪魔グルンワルドを倒すため旅に出る。

仲間との絆や村人たちとの協力を通じて、孤独な少女ヒルダの心も救いながら、村を守る英雄へと成長。

村人の団結と太陽の剣を武器に、ホルスはついにグルンワルドを討ち果たす。

希望と再生を象徴するヒルダとの再会で、物語は感動の大団円を迎える。



岡田先生
岡田先生

宮崎駿が最も嫌う、なんか家督相続と言うか、息子だからできるだろうみたいな形で、(吾朗くんが監督をして)ジブリという力を使われて

そんなことでアニメ界はいいのか

そんなことで俺たちは何のために東映で労働争議までやって『太陽の王子ホルス』を作った時に、高畑勲とピケまで貼ろうかというぐらい大問題になって

世界3大労働争議と言われるぐらいの大論争を起こしてまで頑張ったのか、それは宮崎駿にしたら切ないよ



もものすけ
もものすけ

補足です

世界3大労働争議”について知らなかったので調べてみたところ

「世界3大」と定義されたものは存在しないが
日本で起きた労働争議のうち、歴史的に規模が大きく重要なもの挙げるとしたら次の2つがあるそうです。

東宝争議(日本)
 1946~1948年

三井三池争議(日本)
 1953年と、1959~1960年

(高畑勲さんや宮崎駿さんが関わった東映の労働争議は1960年代のことなので、世界3大ではないかも・・?しれないのですが・・、岡田先生が仰った言葉をそのまま載せております。)





映画『カーズ』




岡田先生のおすすめポイント

クリエイターっていうのは凄いし、業が深いし
あんな感動的なことをする人が、そこまで自分の息子を追い込んだりするんだよな


監督ジョン・ラセター
ジョー・ランフト(共同監督)
脚本ジョン・ラセター
ジョー・ランフト
ジョルゲン・クルビエン
制作ピクサー・アニメーション・スタジオ
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
公開2006年
あらすじ

『カーズ』は車を中心とした乗物を擬人化したキャラクターによって物語が構成されている。虫や牛なども車化されている。

若き天才レーサー・マックィーンは、チャンピオンを目指す途中で迷い込んだ田舎町ラジエーター・スプリングスで、個性豊かな住民たちと出会う。

傲慢だった彼は、友情や思いやりに触れ、次第に心を開いていく。

決勝レースでは勝利よりも仲間を思いやる行動を選び、真の成長を遂げる。

そして彼は、かつての輝きを失った町に新たな命を吹き込み、自らの居場所を見つける。



岡田先生
岡田先生

現に『ゲド戦記』が公開された時に、同時公開されたジョン・ラセターの『カーズ』っていう映画があるんだけど、その『カーズ』を宮崎駿はすごい応援して

ジョン・ラセター監督は私の息子のようなものだっていう風に言って、『ゲド戦記』にはなんのコメントも寄こさないという、世にも薄情なこと言って

宮崎駿はアニメに対する愛情あるけど、息子に対してどうなのかっていうのがあって、そこら辺がすごい面白かったんだよな



▼宮崎駿とジョン・ラセターの関係性についてはこちら





映画『崖の上のポニョ』




岡田先生のおすすめポイント

50過ぎてそういうエロスみたいなものを作品の中にエネルギーとし入れるの大変だよ




静止画は、スタジオジブリ公式サイトより引用しています。
引用元:
https://www.ghibli.jp/works/ponyo/

原作・脚本・監督宮﨑 駿
制作スタジオジブリ
公開2008年
あらすじ

魚の女の子ポニョは、海岸で出会った宗介に恋をし、人間になって彼に会いに行く。

その魔力が世界に異変を起こすが、母グランマンマーレはポニョを人間にする方法を提案。

宗介の揺るがぬ想いが試され、ポニョは魔法を捨てて人間になることを選ぶ。

ふたりは嵐を越えて再会し、ポニョは5歳の女の子として新たな命を歩み始める。



岡田先生
岡田先生

宮崎駿は明らかに天才なんだけども、その意味では高畑勲みたいな人格者っぽいところはあんまりないし、大塚康生みたいな趣味人のかっこいい爺さんみたいなところがなくて

あがいて未だに現役でアニメを取りたくて、もう歯がボロボロになりながらの作画してたり、未だに作画しようとしたり、未だに次の作品、次の作品、次の作品、作品ごとに自分の中のエロスとかそういうのものを忘れず入れて

そうじゃなくって、お行儀のいい、文部省推薦みたいなアニメ作りたくなるんだけども、『ポニョ』を作れるのすごいよ

俺はあんまり好きなアニメじゃないけども、すごいと思う





「買った車を自分のものにする方法」


書籍『クージョ』(スティーヴン・キング)



岡田先生のおすすめポイント

自動車修理工場を経営してるおっさんがすっごいね
昔ながらの職人気質の人で、その人が言うには

「自分のものになるって言うのは、どれぐらい自分が直したか、手を加えたか」
って言うんだ



著者スティーヴン・キング
出版社新潮社
発表1983年
ページ数476ページ
あらすじ

メイン州キャッスルロックを舞台に、狂犬病に罹った巨大なセント・バーナード犬「クージョ」が引き起こす惨劇を描く。

車の故障でキャンバー家を訪れた母子が、凶暴化したクージョに襲われ、車内に閉じ込められながら極限状態に陥る。

救助が届かぬ中、母は息子を守るため命がけで反撃に出るが、悲劇は避けられなかった。

数か月後、残された家族たちはそれぞれの喪失と再生に向き合っていく。



岡田先生
岡田先生

つまり、車の修理工をやってるじゃない

そうするとベンツとか、ポルシェとか、ランボルギーニとか、いろんな車いっぱい見るわけだよ

そういう車持ってるやつはいるけども、彼らは持ってないって言うんだよな。それはただ単に買っただけだ

俺の車は中古のシェルビーみたいな車で、ポンティアックとかそういうの中古の車なんだよ

でも俺が何回壊れようと、何回も直したと。エンジンも1回バラして自分でちゃんと動くようにしたと

何度も何度も、何年も何年も付き合ったと

そうやって初めて、車っていうのは自分のものになる





自分が作ったという気がしないから、なかなかガンプラとかに走れない


漫画『ぷりぷり県』(吉田戦車)



作者吉田戦車
出版社小学館
発表期間1995~1998年
巻数全5巻
あらすじ

ぷりぷり県から上京した青年・つとむが、東京で他県出身者と“お国自慢”バトルを繰り広げるギャグ漫画。

奇抜な風土や文化を持つ架空の県「ぷりぷり県」が舞台で、地方愛と笑いが炸裂!

作品は架空雑誌『地方ふぁん』からの転載という体裁で、巻末には風土解説も収録。



岡田先生
岡田先生

最近なんか、自分自身で作ったのがこれなんだけどさ、わかるかな

『ぷりぷり県』の中にゴーゴー川でやってる男花火大会というのがあるんだ

線香花火を持って足にロケットつけた男が打ち上げられて、褌一丁でね、空中で線香花火をするっていう、壮大なんだかセコいのかわからないっていうのがあって

その夏祭り風景のゴーゴー川男花火大会というのを、ちょっとした、ちっちゃいジオラマ作ってみたんだけども

これ、二日でできたんだけど(笑)、こういう工作が好きなんだよな





あとね、最近買ったんでは、この本楽しいよ


書籍『Atomic Kitchen: Gadgets and Inventions for Yesterday’s Cook 』



著者Alexander Brian
Brian S. Alexander
出版社 Collectors Pr
発表2004年
ページ数176ページ



岡田先生
岡田先生

1940年代、50年代、60年代の「これからの台所はこうなる」っていう未来の台所ばっかりの写真集とか画集なんだけども

もうね、宣伝みたいなものもあるんだけども、アメリカの楽観的な未来予想がすごい楽しいんだよな





「水木しげるの面白さ」


漫画『ゲゲゲの鬼太郎 少年マガジンオリジナル版 (講談社漫画文庫)』(水木しげる)



もものすけ
もものすけ

補足です

『ゲゲゲの鬼太郎』の文庫本は複数の出版社から発売されているようです。

ちなみに2023年には、中央公論新社より、鬼太郎のすべての作品を初めて一挙収録した文庫の決定版が刊行されています。

先生が仰っていた”文庫本”がどれか、判断するのは難しかったのですが、出版年が近かったものを選んでみました。

ご参考になりますと幸いです



岡田先生のおすすめポイント

いかに水木しげるという人間が労働が嫌いか
そして漫画を描くのが好きなんだけど
サボりたくてしょうがないかというのがよくわかるよ



作者水木 しげる
出版社講談社 ほか
発表期間1965~1998年・2013年
あらすじ

幽霊族の少年・鬼太郎は、父・目玉おやじや仲間の妖怪たちと共に、人間を脅かす悪しき妖怪と戦う。

砂かけばばあや子泣きじじいなど、正義感を持つ妖怪たちが彼を支える一方、ねずみ男のような中立的存在も登場。

鬼太郎は、妖怪の支配を企むぬらりひょんらの陰謀から人間を守り続ける。

人間と妖怪が共存できる未来を目指し、彼の戦いは終わることなく続いていく。



岡田先生
岡田先生

あのね、ちょっと人気が出て調子乗ってくると、すぐね、水木しげるは疲れて連載を打ち切るんだよね

だから、文庫版の『ゲゲゲの鬼太郎』見たら、しょっちゅう連載のお休みが入ってるんだけど、これはもう先生が面倒くさくなって適当に終わらせたってのが丸わかりな感じがしてね、なかなかアナーキーでいいんだ

この原作に出てくる鬼太郎って、僕らが知ってるような、いい性格じゃないんだよね

金に汚くてこずるくて、人の裏をかいたり、意地悪することを考えたりするっていう、ネズミ男とどこが違うのっていうキャラクターなんだ

そうなんだよ
実はねずみ男っていうのは、本来鬼太郎がねずみ男的な役割をしてたんだけども、無理やり役割を分化させたところから、つまり鬼太郎のダークサイドみたいなところから出てきたようなもんなんだよな





漫画の話をもうちょっとする


漫画『あしたのジョー』(原作:高森朝雄(梶原一騎)、作画:ちばてつや)



岡田先生のおすすめポイント

ニコ動とかで探したらあると思うんだけども
『あしたのジョー』は生きてるか死んでるのか論争ってのが、昔あったんだよね



作者原作:高森朝雄(梶原一騎)
作画:ちばてつや
出版社講談社
発表期間1967~1973年
あらすじ

東京のドヤ街に現れた不良少年・矢吹丈は、元ボクサー丹下段平に才能を見込まれ、ボクシングの道へ。

少年院でライバル力石徹と出会い、激闘の末に彼を死に追いやったことで深い苦悩を抱える。

顔面を打てない後遺症を乗り越え、世界王者ホセ・メンドーサとの死闘に挑むが敗北。

燃え尽きたジョーは、静かな微笑みを残してリングを去る──。



岡田先生
岡田先生

『あしたのジョー』は生きてるのか死んでるのか、そんなことを言うのは無粋なんだけど

最後に”真っ白になって燃え尽きたぜ”っていう時は、こっち(左)向いて座ってる

(『BSマンガ夜話』で)夏目房之介さんが解説したのが、漫画家の生理感覚から言うと、あいつはあれ生きてますよ、ということなんだ

左を向いて座って、左を向いて燃え尽きてるから、これは状況が進行中だっていう、漫画家の生理だと

もうジョーが死んでたら、自分、漫画を描いてた人間としてわかるんだけども、絶対に生理的に、こちら(右)向きに書いてしまう

それが手の癖だって言ってた







「これからのジブリとアリエッティ」


映画『借りぐらしのアリエッティ』



岡田先生のおすすめポイント

あれ見た時に俺、すごい面白くて
あ、これはジブリの人たちが、脱宮崎駿っていうのをやろうとしてるな




静止画は、スタジオジブリ公式サイトより引用しています。
引用元:https://www.ghibli.jp/works/karigurashi/

企画・脚本宮﨑 駿
原作メアリー・ノートン
脚本丹羽圭子
監督米林宏昌
制作スタジオジブリ
公開2010年
あらすじ

監督は本作が初監督作品となる米林宏昌。

メアリー・ノートンの著書『床下の小人たち』を原作として、翻案・脚色された作品である。

郊外の屋敷で暮らす小人の少女アリエッティは、掟を破り人間の少年・翔に姿を見られてしまう。

父の忠告に反発しながらも、翔との交流に心を開いていく。

しかし人間との接触は家族に危機をもたらし、やがて大きな事件が起こる。

人間と小人、どちらが滅びゆく種族なのか——その問いが物語を貫く。



岡田先生
岡田先生

アリエッティの中に出てくる家政婦の婆さんっていうのがいるんだ

それが凄い不思議なキャラで、映画の中では役割として悪役なんだよ

悪役で、アリエッティたちの家を暴こうとして、小人たちを捕まえようとしてる、明らかに悪役なんだけども、スタッフの描き方そうじゃないんだよ

すごい無邪気で、悪意はない、いたずらっ子みたいな婆さんなんだけども、凄い迷惑な人っていう書き方なんだ

顔を見たら、宮崎駿そっくりなんだよな

宮崎駿を愛してるんだけども、あえて彼には悪役になってもらって、そこから脱出する女の子の話描かないと、俺たちには将来がないんだ、それがジブリがいる場所そのものじゃねえかっていうメッセージ自体がバーンって出てて

かっこいいロックンロールだー、でも映画としては中途半端って思っちゃったんだよ(笑)





まとめ


以上、ゼミ第2回目に岡田先生がご紹介された書籍や映像作品のまとめでした。


もものすけ
もものすけ

今回は
ジブリ作品
多かったですね



ではまた次回お会いしましょう~